GPU温度を下げる努力
今時のPCパーツってものすごく出来が良いですよね。
2015-05-29 15:17:40
CPUなんて4GHzで4コアの高性能CPUが市販されていて温度も一般的なCPUクーラーを取り付ければベンチマークぶん回したって60℃台です。
VGAも凄くてGTX9**シリーズなんか50℃以下だとファンが停止しても問題ないセミファンレス仕様です。
それでいて先代シリーズよりも高性能で低消費電力なんですから技術の進歩は凄いですよね。
ところがです・・ガッツリ仕様だと思わぬ高温に見舞われる事もあったりするんですよね。
そのPCがこちらです。
どうです?ガッツリイカツイ仕様です(笑
構成は大雑把に4790K+MSI Z97A-GAMING-9-ACKにMSI GTX980 GAMING 4GをSLIで固めた本格ゲーミング仕様でございます。
思わぬ高温問題はSLI構築では御馴染みの上側設置のGTX980に降りかかっておりました。
ベンチマークをぶん回すと92℃まで上がってしまうのです。
うーん・・92℃か~。まぁ行けるっちゃ行けるけど低発熱も売りの9**シリーズで90℃台はなぁ・・
ちょうどゴールデンウィーク直前だったのでお客さんに確認して決める事に。
お客さんと直接お話しした結果、やはり娯楽用PCなので90℃台は避けたいとの事。
そりゃそうですよね。
ってことで納期をずらして温度を下げる戦いが始まったわけですが・・
まず上側GTX980のGPU個体温度が高い可能性を考え上下を入れ替える事に。
→結果全く同じ92℃まで上昇
ふむふむ。この2枚の個体温度は同じって事か。
それじゃシングルの場合の温度も確認してみよう。
→2枚とも1枚挿しだと75℃前後を確認
そんじゃマザーボード側の設定をちょちょいといじってPCI-Express割り振り変更しますか。
シングル:①=x16 ②=x0 ③=x0
SLI:①=x8 ②=x8 ③=x0
3WaySLI:①=x8 ②=x4 ③=x4
要するに①=x8 ②=x4 ③=x4のモードにして①と③に接続すればパフォーマンスは落ちるものの2スロット分の隙間が出来るので温度が上がらなくなるのですね。
ちょちょいと設定変更と挿し位置を変えてベンチマークを回すと80℃を下回るじゃないですか。
めでたしめでたし・・と思いきやベンチスコアは3割減orz
ヘイヘイ。動作モード変更したらWindows側からSLIに設定しなくちゃだめだろが!
だがしかしNVIDIAコントロールパネルにSLIモード選択の項目が消えている・・
速攻でサポートに確認すると、どうやらSLIの時は①②接続限定の模様。
一応マザーボードでは手動切り替えが出来る項目があるので何とかならないものかと相談するも進展せず・・
こうなりゃ奥の手だとMSIマニアに連絡する事に(笑
速攻で海外フォーラムを調べてくれてスカイプでアドレスが飛んできた!
電話口で「外人が店長と同じこと言ってるww」と笑いながら(笑
リンクを開くと英語が読めない私でも一目で同じこと言ってるのが分かった(笑
I have the board, I can't get it to run in 8x/0x/8x, only 8x/8x/0x. Unless someone can tell me how to change it to 8x/0x/8x?
そう。①=x8 ②=x0 ③=x8で動いてくれれば万事解決なのです。
だがしかし現状ではどうにもならない模様・・
ここで、翌日同ボードが数枚入荷する事を思い出してGPU個体温度に再度希望を託すことに。
→結果、なんと全てのGTX980が92℃でビタ止まりする事が判明・・
これにはちょっと驚きましたね。
それなりの枚数での実験で全て同じ温度です。
全ての個体温度が92℃で同じといった訳ではなく明らかにシステム的な制御が掛かって92℃だったと考える方が自然でしょう。
ここから色々実験しました。
①サイドパネルを外して温度チェック
→92℃ビタ止まり
②サイドパネルを外したままGPUクロックを10%低下させて温度チェック
→92℃ビタ止まり
③サイドパネルを外したままGPUクロックを20%低下させて温度チェック
→92℃ビタ止まり
④サイドパネルを外したままGPUクロックを最低まで低下させて温度チェック
→92℃ビタ止まり・・おい!
⑤サイドパネルを外したままVGAファンを早めに高速回転させて温度チェック
→92℃ビタ止まり
⑥サイドパネルを外したままVGAファンをいきなり全開に回転させて温度チェック
→92℃ビタ止まり・・
⑦フロントファンが静音ファンだったので高速ファンに交換してサイドパネルを外したままVGAファンをいきなり全開に回転させて温度チェック
→92℃ビタ止まり・・
おいおい・・MSIマザーとMSIグラボの組み合わせでそりゃないだろ・・
マザーボードだってゲーミングで商品ページにも複数VGA謳ってるやないか・・
こりゃ~久々に参ったぞ・・完全に手は尽くした。
あとはVGA水冷化にするかシングル運用に変更してもらうかしかないな・
と、PCを見つめながら呆然と立ち尽くしていると、さっき交換した静音ファンが目にとまりました。
まさかな・・と思いつつもケース内部にインシュロックで固定してみる事に・・(笑
その時の画像がこんな感じです。
サイドパネルあけっぱでもGPUクロック最低にしてもVGAファンを初動からMAX回転させても1℃すら温度が下がらなかったんですよ。
こんなので下がるわけがない。
今振り返ると当時の私はやけになっていたのか、現実逃避したかったのか、どちらかだったのでしょう。
が、しかし!ベンチマーク後の温度は何と86℃!!
あれほど遠かった80℃台突入です!
マジかよ~これが正解だったのかよ!ヒャッホー!とガッツポーズでしたね(笑
しかしこれじゃ納品は出来ませんよね・・
温度は下がりましたがファンぶらんぶらんしてます!でも安心の80℃台です!
なんて言えるわけない(笑
何か良い方法はないか・・といろいろ考えていると結構前にAntecからマザーボードに固定する小さいファンがあったような?
でもあれ2006年とか2008年とかだったよな・・
後継品でも出てればいいけど聞いた事ないな・・
早速価格表を調べるもそれらしき物は見当たらず・・
いよいよGoogle先生にお尋ねすると何とまだ在庫を持っているお店発見!
電光石火の如く注文しちゃいましたね。
そして届いたAntec SpotCoolを取付して温度測定へ!
その時の画像がこちらです。
最新版FF14ベンチDirectX11バージョンをこれでもか!ってくらい回して84℃達成!
GTX980は個体によって70℃台後半~80℃台前半になってしまう物も見かけますのでSLIで84℃なら合格点でしょう!
ということでゴールデンウィーク明けの納品となってしまいましたが無事お届けする事が出来ました。
そして・・今現在、GTX980シングルで作成を始めたお客さんが「やっぱり男は浪漫でSLIにしてちょ!」といったご要望をいただきましたため私は笑顔でお答えいたしました。
GTX980のSLIにはAntec SpotCoolが必須アイテムなのでこれも追加しましょう!と(笑